2011年8月8日月曜日

高弾道ドライバーヘッドの仕様 1

日本仕様の「高弾道ドライバーヘッド」の致命的な欠陥とは、「高弾道性能基準」を満たしていない点にある。
高弾道ヘッドは、「高弾道理論」に基づく仕様で製造され、通常のヘッドとは異なる際だった特徴がある。
最大の特徴は[①最適打ち出し角 ②低スピン量 ③ポジティブ入射角 ④衝撃パワー]性能にある。中でも「高弾道ヘッド」のNO1条件が[最適打ち出し角]とされている。
最適打ち出し角は[10~18度]とされ、最適化に最も大きな働きをするのが[ロフト角]である。
[打ち出し角]のメカニズムは、ゴルフクラブのヘッドにボールに当たった時に得られる[発射角度]である。[発射角度]は、スイング要素(スピード・軌道)とヘッドのロフト角により形成され、ヘッドスピードの遅いゴルファーほど高い打ち出し角[17~20度]が要求される。
米国の最新実験データーは「最適打ち出し角」「ロフト角」の相関関係は解明されている。打ち出し角は、ロフト角に2~4度(最大で4度)プラスされた角度しか得ることが出来ない。つまりヘッドスピード40m/sのゴルファーが9度のドライバーを使用した時、打ち出し角は[11~13度]しか得ることができず[高弾道]に必要な最適打ち出し角[16-18度]を得ることができない。

スウィングスピード(HS)
ドライバー平均飛距離
ランチ角
(最適打ち出し角)
スピン量
参考ロフト角
適正ロフト・打ち出し角
による最長飛距離
60 mph (26.82 m/s)
120.4 ヤード
21.78度
1818.1
13~15度
142.5 ヤード
65 mph (29.06 m/s)
127.9 ヤード
20.54度
1860.7
13~15度
163.0 ヤード
70 mph (31.29 m/s)
137.7 ヤード
19.00度
2407.5
12~14度
173.8 ヤード
75 mph (33.53 m/s)
158.6 ヤード
20.60度
1976.8
12~14度
223.4 ヤード
80 mph (35.76 m/s)
180.2 ヤード
18.95度
2157.4
11~13度
221.2 ヤード
85 mph (38.00 m/s)
197.3 ヤード
18.58度
2074.5
11~13度
242.4 ヤード
90 mph (40.23 m/s)
218.3 ヤード
18.43度
2129.5
10~12度
257.3 ヤード
95 mph (42.47 m/s)
232.3 ヤード
17.32度
2009.2
10~12度
274.5 ヤード
100 mph (44.70 m/s)
250.8 ヤード
16.96度
2157.1
9~11度
293.9 ヤード
105 mph (46.94 m/s)
266.7 ヤード
15.97度
2361.9
9~11度
303.5 ヤード
110 mph (49.13 m/s)
277.9 ヤード
15.15度
2504.6
8~10度
320.5 ヤード
115 mph (51.41 m/s)
291.4 ヤード
12.68度
2968.9
8~10度
316.3 ヤード
120 mph (53.64 m/s)
298.2 ヤード
11.15度
3257.0
7~9度
326.85 ヤード

















※上記データは Golfsmith.comより引用。アベレージゴルファーのテスト結果をもとにまとめられたデータ。

日本の「高弾道ドライバー・スペック」は、[ロフト角:8.5~11度]である。
つまり、日本仕様の「高弾道ドライバー」の「打ち出し角」は[11~14度]しか得ることができない根本的な問題を抱えていることになる。プロゴルファー並みのHS45m/秒以上のスキルが無ければ[高弾道]が生まれない商品は「欠陥商品」ではないのか?
日本のクラブメーカーは、何故データーに基づいた商品開発を行わないのだろうか?

実は、「ロフト角12度以上のドライバー」は日本では売れない。日本のゴルファーは見栄やプライドを重視するため、低ロフト表示(9度とか10度)を好む傾向が強い。この為、メーカーは表示ロフトと実測ロフト(リアルロフト)に平均2~3度(最高4度)の[誤差]を設けた商品開発が常識化しているこうした顧客満足度を優先させる商品開発は、不当表示を容認する販売至上主義の業界体質を生み出している。
                                                                                                                                                                                        
こうした業界体質からは、[真のゴルフ理論]に基づいた商品開発は軽視される傾向にある。結果、日本の「高弾道ドライバー」は「ロフト角/打ち出し角」の欠陥だけでなく、更に根本的な問題を抱えている。何故、日本の「高弾道ドライバー」は飛ばないのか。それは……高弾道ドライバーヘッドの仕様 2(に続く)

1 件のコメント:

  1. はじめまして。
    1点お教えいただけませんでしょうか?
    上記の表の「参考ロフト角」というのは何を指しておられるのでしょうか?
    たとえば、H/S 90mph のゴルファーだと理想のローンチアングルが18.43°、ということですから、上記の文脈からいえば、14.43 ~ 17.43°が適正ロフト、となります。
    ということは、この「参考ロフト角」と「適正ロフト角」は違うことになりますので、この「参考ロフト角」が何を指しているのか、本文からでは読み取れませんでした。
    お教えいただければ幸甚です。

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